本気になったのって何年前だっけ ― 『響け!ユーフォニアム 2期』に寄せて
最後に本気になったのって何年前だ?
『響け!ユーフォニアム 2期』7話まで見た感想を一言で表すならこれだと思う。
最初は吹奏楽でコンクール優勝を目指す美少女アニメのつもりで見ていた。実際京アニ(京都アニメーション;制作会社)の絵はきれいだし登場する女の子はみんな魅力的だし、お互いを思いやってイチャイチャするのは美しい光景だった。これが天国か花園か、非情な現実世界に突如現れたユートピアか。
といっても内容はそんなに甘い物じゃなかった。
これを読んだ人にも是非見てもらいたいのでつっこんだ話はしないけれど、描かれるキャラクターにはみんなそれぞれの事情があって、悩みながら音楽をしてた。そしてその心理状況できちんとした音楽ができるのかと不安になったりした(鎧塚先輩という女の子メインで進む)。
僕も多少ピアノをやっているので思うんですが、嫌なことがあったり、モヤモヤしていると気持ちいい音楽ができない気がするんですよね。間違えたその音が自分の非を責め立ててくるような気がしたり、いつもよりそのミスが目立つように感じちゃって。完璧な人間なんていないのに「自分の完璧じゃなさ」を見せつけられる。
ま、そんなことは置いておいて
5話で関西コンクールの場面がある。このコンクールの結果で全国行きが決まる。
合宿などを通して一生懸命練習した曲を披露する回です。
この回はちょっと久しぶりにヤバかった。(語彙が貧弱)
全員が関西の金賞、さらにその先の全国大会を目指してて、本気で演奏するんです。
「本気」ってなんだ?
と思った。そして
自分が最後に「本気」になったのっていつだっけ?
と思った。
あまりにも彼女たちは輝いているし、切磋琢磨した結果演奏された音楽はきれいだった。下級生の、コンクールのレギュラーメンバーには選ばれていない子たちも一つになっていて、演奏終了とともに下級生たちが安堵と感動と達成感を共有しているように見えた。
コンクール映像を見てるときに、髪を染め、ケータイをいじりながらギャーギャー騒ぐ女子大生の群れが思い浮かんだ(この文章を書いている今思い浮かんだとかではなく、アニメの演奏の真っ最中に)
どうしてそこまで落ちぶれた?
いや、自分も含めてどうして演奏する彼女たちのような本気を心に持てなくなった?
もしかしてこのアニメの久美子も麗奈もあすかも鎧塚先輩も大学入学とともに金髪の頭悪そうな男とチャラチャラするっていうのか?
もしくは
大人になってできることが格段に増えてそれぞれにリソースを割いていたら、いつの間にか「本気」で様々な仕事をこなす器用貧乏人間になっていた?一つのことに費やす「本気」が薄くなったから「本気」であることに気づかないだけ?
わからない
少なくとも久美子たちの「本気」にあてられてあまりの美しさに泣きそうになって、その勢いでこんな文章をここまで書いているのは、自分が「本気」になっていないからだということは確信をもって言うことができる。
http://anicobin.ldblog.jp/archives/49915117.html
「本気」ってなんでしょうね?
よくわからないけど、確かにあの演奏には本気があった
そう思う
最後に
「響け!ユーフォニアム 1期」で、吹奏楽部の顧問である滝先生が言った「みなさんが普段若さにかまけてドブに捨てている時間をかき集めればこの程度の練習量は余裕でしょう」というセリフも胸に刻んでおきたいものです…
http://anicobin.ldblog.jp/archives/44610652.html
1期の演奏ではこんなこと思わなかったんだけどなあ……